本システムは分析用データの整備から分析まで一貫して行います。 分析用データの整備 未加工データを導入してDSファイルを作成し、下記作業を経て分析用のデータを整備します。 測位間隔・スケジュール分析 測位時刻・標高・平面位置について問題データの抽出 問題データの一括除外 時間軸分析 DSファイルから分析用データを導入してANファイルを作成し、下記を行います。 活動周期分析 時空間密度法による軌跡分割 分割軌跡のkmlファイル作成 重心距離法による移動・滞在分析
本システムには次の特徴があります。 分析はすべてエクセルで行います。 結果一部はGoogle Earth*に出力します。 対話的に処理が進みます。 随時表示される指示に対応すれば分析が進みます。分析者の裁量・判断が適宜求められます。 欠測も意味あるデータとして扱います。 欠測データの補間は行いません。欠測にも意味があるためです。 分析はすべて時間軸上で行います。 分析は動きを時間軸上に表現して行います。 *注:ブラウザChrome上で動くGoogle Earthではなく、単体の無料アプリGoogle Earth Proを使用します。
本システムは、広義の探索的データ解析の一つです。まずこれで処理することで、データと動きの概要がわかります。 分析の的を絞るのに役立ちます。目的によってはこの処理で十分な場合もあります。 DSファイルで行う分析用データの整備 GPSデータ共有・保存のためのプラットフォームとして必要な機能と形式を備えています。 ANファイルで行う時間軸分析 動きの概要を知ることができます。 時系列分析でもモデル分析でもなく、一般化を目的としません。 実時間の使用により、いつどんな動きがあったかがわかります。観測された個別事象の理解を助けます。
本システムは、測位間隔一定のデータを前提とします。 ただし、欠測や外れ値除外による測位間隔の乱れや測位間隔の異なる期間のある程度の混在は、許容されます。 処理可能な測位間隔:5, 10, 15, 20, 30分、1, 2, 3, 4, 6, 8, 12, 24時間。 分析実績のある種 シカ・クマ・イノシシ・カモシカ(日本)、ナマケモノ(ブラジル) 分析実績がない種群 日単位で周期的に欠測が生じる穴居性のコウモリやタヌキなどについては分析実績がまだありません。 処理に問題が出る可能性がありますが、出ても対処可能と思われます。ただ、時間がかかるかもしれません。 対象外の種群 一般に海棲哺乳類などのデータには使えません。水中ではGPS測位ができず、測位間隔一定とならないためです。
的確な時間軸分析のため、測位スケジュール設定で注意すべきこと。 ●基本:一定の測位間隔を維持する。 ●次のような設定はなるべく避ける。 測位間隔の頻繁な変更 変則的な測位間隔 昼行性の種で夜間の測位を省略。[6, 9, 12, 15, 18] 時など 夜間は動かないと想定。想定は想定、事実確認が必要。想定外に発見あり。 この種が穴居性で穴居中は測位できないとしても同様。 測位失敗と測位非実行による欠損の意味は別。前者に情報あり、後者になし。 測位時刻を測位間隔で割って余りが出る設定。 [3, 9, 15, 21] 時など。 本システムによる分析には支障なし。でも一般に避けた方が無難。 ●絶対避けるべき:測位結果(地点)によって測位間隔を自動変更する設定。