マクロANCreatorで自動的に作成されます。データと動物の動きの概要を把握するためのシートです。 後述の「TLシートの使い方」に準じて利用できます。 図の追加や書き直しが可能ですが、シートの目的に照らし、期間の変更は避けてください。 期間を絞った詳細分析は、マクロSheetProcessorでTLシートを追加して行います。
ANファイルでマクロSheetGeneratorを実行すると、分析シートを追加できます。 マクロの指示にしたがってシートの種類(AC, TL, TS)と分析期間、識別子を指定してください。 TSシートを指定するとTKシートも併せて追加されます。この2つのシートは対で機能します。 追加シート上部の薄緑のセルに必要な指定をしてマクロSheetProcessorを実行してください。分析が行われます。 指定を変更してマクロSheetProcessorを再実行すると、図を書き直します。
指定の時間軸図を描きます。 左の薄緑のセルで数量と評価期間をプルダウンメニューから選択してマクロSheetProcessorを実行してください。 時間軸図が作成されます。 1つの図に1ないし2つの数量を指定できます。 選択肢で示される数量の種類とその意味については、Dataシートの5行目とその上下を参照してください。 数量のフォントを黒以外の色にすると図の線がその色になり、ボールドにすると線が太くなります。 1行目の開始日・終了日を変更すると、表示期間を選択できます。 「図サイズ」のセルより右の欄を変更すると、グラフの形状を変更できます。 指定変更後、マクロSheetProcessorを再実行すると、図を書き直します。 HGT(標高)は元の標高データをそのまま描画します。その性格上、指定にかかわらず、評価期間は0になります。 UTID(単位時間区間距離)の評価期間は、その性格上、指定にかかわらず、データ時間間隔になります。
自己相関図でデータの周期性の有無がわかります。時刻別平均値図で時刻別の傾向の違いがわかります。 B列の薄緑のセルに評価時間とデータを指定してマクロSheetProcessorを実行してください。 評価時間とデータの指定はプルダウンメニューにより行います。 指定可能な評価期間(Dataシート参照)は最長で12時間です。それを超える分析には意味がありません。 HGTとUTIDの評価期間は指定に拘わらず、それぞれ次の理由で0あるいはデータ時間間隔となります。 HGT(標高)は定義により期間評価をしない、生の標高データ(瞬間値)を表します。 UTID(単位時間間隔区間距離)は定義上、測位間隔が評価期間に一致します。 VNFとVNI(有効測位点数と有効区間数)の時刻別平均図では、該当時刻のデータ総数が示されます。 これは、計算に利用しているデータの日内分布の状態を確認するためです。 TL0シートで図を見て周期性がありそうな期間があれば、その期間を選択して分析してください。 分析期間にはある程度の長さが必要です。最低でも12日間程度は欲しいところです。 指定変更後、マクロSheetProcessorを再実行すると図の書き直しが行われます。 自己相関図の見方 自己相関とは、1つの時系列データを2つの時系列データとみなしてその間で相関を計算したものです。 普通に相関をとると、2つの系列は全く同じなので、対応する値は常に一致し、相関は1になります。 これが横軸0のときの縦軸の値1です。 次にデータ1つ分ずらして相関を計算します。2時間おきのデータだと、2時間異なる値の組の相関になります。 これが横軸2のときの縦軸の値です。 次にデータ2つ分ずらして計算すると、4時間異なる値の組の相関になります。 これが横軸4のときの縦軸の値です。 これを繰り返して、当シートでは60時間までずらした相関を計算しています。 データに周期性がなければ、時間のずれが大きくなるほど自己相関は下がって0に近づきます。 そのため、グラフは右肩下がりになり、最終的には0付近にとどまることになります。 しかし、データに周期性があれば、その周期幅ずれたところで、相関が大きくなります。 このとき、半周期分ずれたところには、逆相関(相関値がマイナス)の傾向が現れます。 時刻別平均図の見方 時刻別平均とは、評価値を各時刻別に平均したものです。解釈に次の2点注意が必要です。 時刻別平均に明確な偏りが現れても、必ずしも周期性があることを意味しません。 たとえば、昼夜活動している動物が時々、日中に高い山に登ることがあるとします。 短い分析期間にこの行動が含まれると、標高の時刻別平均は夜間よりも日中に高くなります。 しかし、これが毎日の行動でなければ、標高の自己相関図に24時間周期には現れません。 毎日ではなくても定期的で、たとえば2日おきだとすると、48時間周期が現れます。しかし、 ある時は1日、ある時は3日置いてなど、間隔がばらつくと周期性はなく、検出もされません。 また、3日おきだと72時間周期になるため、60時間(2日半)までの自己相関分析では検出されません。 このようにある行動が日中限定という明確な特徴があっても、周期性が検出されない場合があります。 誤差の大きいデータの存在にも注意が必要です。 特に短い分析期間にこうしたデータがあると、その時刻の平均値に大きく影響するためです。 以上から、自己相関分析で周期性が認められないのに、時刻別平均値に大きな偏りがある場合、何がその違いを生み出しているのか、時間軸図をチェックして確認する必要があります。
時空間密度図ほか指定の時間軸図を描きます。時空間密度図では期間分割を行い、分割データをTKシートに転写します。 シート上部の薄緑のセルに値を指定してマクロSheetProcessorを実行してください。 時空間密度図には評価用の期間と距離の指定が必要です。 評価期間はデータ間隔の12倍が初期値として使われます。。このとき、該当日時の前後各24時間(計48時間)が評価対象になります。 評価距離は指定がなければ、自動で設定されます。当初は自動設定を利用し、結果をみて調整してください。 第二の評価距離を指定すると、評価距離の異なる2系列の図を描きます。 評価期間・評価距離の設定を変えて、マクロSheetProcessorを再実行すると、図の書き直しが行われます。 追加図はあらかじめ指定されていますが、追加も削除も可能です。プルダウンメニューから選択してください。 2起点距離図の起点には識別子を共有するTKシート記載の座標値の利用、あるいは日時による座標指定が可能です。 時空間密度の作成終了後は、期間/軌跡分割が可能になります。 分割日時は動物が滞在地を離れた、新たな土地で滞在を始めたなど、活動域の変化時点を推定したものです。 しかし、現実の動物の動きは単純ではなく、当初は意義の怪しいあるは微妙な分割点が示される場合があります。 そうでなくても、分割が多く、細かすぎると、動物の動きの理解に繋がりません。 意義の微妙な分割点を除外してください。除外は対話的・段階的に行うことができます。 マクロを再実行すると、分割を最初からやり直すことも、現状から分割点の除外をさらに進めることもできます。 分割が確定したら、分割データをTKシートへ転写してください。 時空間密度図と分割に対応する色帯図も転写されます。
TSシートから転写された分割データに基づいて軌跡分割を行います。結果をkmlファイルとして出力します。 シート右にファイルデータ期間の軌跡(灰色)に分析期間の軌跡(赤)を重ねた図が描かれます。 シート左に分割・色分けされた軌跡図が描かれます。以下、左図に関する解説です。 TSシートで作成した分割データを本シートに転写後、マクロSheetProcessorを実行してください。 左図に色分けした軌跡を描画し、さらにkmlファイル作成を行います。 kmlファイルをダブルクリックするとGoogle Earth地図上に色分けされた軌跡が表示されます。 分割期間の長さ(C列)はマクロSheetProcessor実行時に計算されます。 分割期間の文字の色は分割軌跡の線の色に対応します。字体のボールドは太線に、イタリックは破線に対応します。 分割期間の文字色や字体を変更すれば、軌跡の線の色や太さを変更できます。 点ABの座標は、同じ識別子を持つTSシートで「2起点距離図」の作成に使用されます。 座標は当初、シートデータ期間の最初と最後の測位点に自動設定されています。 座標はシート2行目の座標セルで任意の位置に変更可能です。 変更はすぐに軌跡図に反映されますので、変更後、図上で記号A, Bの位置を確認してください。 TSシートで2起点距離図作成の際には、TKシートの座標を利用するか、日時指定するかを選択できます。 日時指定すると、その日時の測位点の位置が起点となります。TKシートの座標もその位置に同時に変更されます。